倉恒 弘彦 先生
関西福祉科学大学 教授
大阪市立大学医学部 客員教授
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome: ME/CFS)は、
生活が著しく損なわれるほどの激しい全身倦怠感、睡眠障害、労作後の症状の増悪、思考力・集中力の低下、
起立性調節障害、全身の疼痛などの臨床症状が6か月以上の長期にわたって続くため、
日常生活や社会生活に重大な支障をきたす疾患です。
2015年,全米アカデミー組織の1つである医学研究所(Institutes of Medicine:IOM)が
世界中で報告されてきた論文を2年間かけて調べた結果、
「ME/CFSは罹患した患者の健康や活動に深刻な制限をもたらす全身性の疾患であり、
重篤な場合には患者の生活そのものを破壊する深刻な病態である」との結論に至り、
米国では国立衛生研究所が中心となって病因・病態の解明に向けた臨床研究が進められています。
日本においても、陽電子放出断層撮影(ポジトロンCT)を用いた臨床研究グループにより、
ME/CFS患者では脳内ミクログリアの活性化がみられることが世界で初めて見出され、
ME/CFSを脳・神経系疾患の1つとみなした病因・病態の解明に向けた臨床研究が進められています。
皆様には、是非ME/CFSへのご理解を深めて頂き、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い致します。
細田 満和子 先生
星槎大学 副学長
ME/CFS AID Japan 顧問
慢性疲労症候群は、診断法や治療法に関してまだ解明されていないことがたくさんある中、
多くの患者さんが日常生活を送るのに困難を抱えている状況です。
また、外見から見えにくい病気のため、社会から誤解をされたり、偏見を持たれたりする患者さんも少なくありません。
そこで、多くの方々にこの病気のことを知っていただくことが不可欠なのです。
あなたの隣にいる人が、この病気で苦しんでいるかもしれません。
ぜひ、慢性疲労症候群を正しく知ってください。
そしてご家族やお友達にもそれを伝えてください。
さらにこの病気の診断法や治療法の開発が進むため声を上げて下さいますよう、お願いします。
三羽 邦久 先生
ミワ内科クリニック 院長
~啓発デーによせて~
ME(筋痛性脳脊髄炎)/ CFS(慢性疲労症候群)
この病気の啓発にスタッフ一同、応援しています。
当院には全国から患者さんがお見えになります。
労作後の消耗の遷延と立位維持困難は共通して見られます。
スモールハートを伴う心拍出量の低下や低血圧、起立性調節障害といった循環器的異常が多くの方に認められます。
難病ですが、発症早期例では回復のチャンスがあります。
身体疾患としての理解が大切です。
不適切な精神科的治療はチャンスを逃がしてしまいます。
いろいろな治療法が試みられており、希望もあります。
多くの方々の関心と理解が深まり、支援の輪が広がることを期待します。